ブルームバーグの記事によると、2023年の日本企業や年金基金は、ニューヨークのマンハッタン、トロント、ロンドンなどで高額の海外不動産を購入しています。
これは80年代後半のバブル期以来、ほとんど例がないほどの大規模投資です。
円安と世界的な不動産不況にもかかわらず、日本の投資家は過去20年で最も多くの資金を海外不動産に投じており、その額は年初来で約1兆900億円に達しています。
これらの投資にはマンハッタンの超高層ビルやトロントのデータセンター、ロンドンのオフィスビルなどが含まれています。
日本勢の積極的な投資は、金利上昇やオフィスの空室率増加により他の買い手が遠のいている中で市場に安堵をもたらしています。
また、日本企業においても国内の低リターンに対応し、収入源の分散として海外不動産に投資していることが示されています。
欧米やEU諸国では、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック終息後の経済対策によりインフレが発生し、その抑制のために金利を上昇させる金融政策が実施されています。
多くの国で金利の上昇に伴い不動産市場が影響を受けています。
金利の高騰は不動産価格に直接的な影響を及ぼす要因の一つです。
これにより、住宅や商業不動産の購入にかかる金利コストが高くなり、ファンドのリファイナンスが難航し、投資家の購入意欲が低下する可能性があります。
また、不動産からの収益(賃料収入など)が借入コストをカバーするのが難しくなり、デフォルトが発生する可能性があります。
これにより、不動産投資の魅力が低下し、価格が下落する可能性があります。
日本企業にとっては、国内で低金利での資金調達が可能な中、海外に分散投資を行うことは有効でありますが、円安の状況下で海外不動産投資を行う際はリスクもあります。
主なリスクは以下のようになります。
1. 通貨リスク
円安の場合、外貨での投資コストが高くなります。
つまり、同じ金額の不動産を購入するためにはより多くの円が必要になります。
また、将来的に円が再び強くなれば、投資の円換算時の価値が減少する可能性があります。
2. 利益の変動リスク
海外不動産から得られる収益やキャピタルゲインは、通貨換算によって変動します。
円が弱い状態で収益を換算すると、期待したほどの利益が得られない可能性があります。
このようなリスクに考慮し、海外不動産投資やそれを実行しているファンド投資をすることが必要になります。