Q.敷地に余裕があり、一部屋分(約20㎡)増築しましたが、登記はしていません。
もしこのまま放置するとどのような問題が発生しますか?
そして登記をする場合、誰に依頼すればいいですか?
A.未登記の増築部分がある場合、次のようなリスクが生じることがあります。
1. 法的問題
増築工事を行い、構造や床面積に変更が発生した場合、1カ月以内に法務局に登録内容の変更登記をしなければなりません。
実際の状態と不動産登記簿の内容が異なる場合、法的な問題が発生する恐れがあります。
具体的には、10万円以下の過料が課される可能性があります。
また、物件を売却する際や抵当権を設定する際に登記事項と物件の不一致による問題が起こることがあります。
2. 税金問題
増築部分が登記されていない場合、固定資産税や都市計画税が適切に課税されない恐れがあります。
これにより、後に税金が遡及請求される可能性があり、追加の罰金や遅延利息が発生することもあります。
3. 保険問題
未登記の増築部分は住宅保険の適用外となる可能性があり、災害時に適切な補償を受けられないリスクがあります。
4.売却問題
未登記の状態で売却をすると、増築部分は買主の住宅ローンにも影響を与えます。
金融機関は一般的に違法建築物件への融資を行いません。
融資が利用できなくなると買い手は限定され、好条件での売却は困難になります。
以上のリスクを考慮すると、登記をする事をお勧めします。
増築部分の登記は通常、土地家屋調査士に依頼します。
これには測量、登記申請書の作成、登記手続きが含まれます。
また、登記には図面や許可証などの書類が必要です。
さらに、建築確認申請をせずに増築した場合、以下のような重要な問題が生じる可能性があります。
1. 違法建築物の指摘
建築基準法に基づき、建築確認申請が必要です。
これを行わずに増築すると、その建築物は違法建築物と見なされる可能性があります。
2.行政指導や命令の受け取り
増築が発覚した場合、建築主は行政からの警告や是正命令を受けることがあります。
これには違法な部分の撤去や改修が含まれることもあります。
3. 罰則の適用
建築基準法違反には罰則があり、罰金や懲役刑が科される可能性があります。
4. 資産価値の低下
違法な増築部分は不動産の資産価値を下げ、売却時に担保としての利用が困難になり、購入者の住宅ローン利用が難しくなることがあります。
2024年4月から法改正により相続登記の義務化が施行されていますので、以上のようなリスクを未然に防ぐためにも期限までに増築に伴う変更登記も相続登記と併せて行うことをお勧めします。
詳しくは司法書士にご相談ください。